ボトム通販と接する行動
パッケージ導入であれば、導入業者あるいはパッケージ業者が強力にグループを牽引するであろう情報システム部門から1名が参加して作業方法を指導したが、ソフトウェア開発の発注先が決まらなかったので、先を急がなかった。
精密なデータ・モデルがワーキング・グループの手で出来上がった。
インプットとアウトプットの区別に関する基本的なミスがあったが、このモデルを解読すれば、新しいビジネスの方法(ビジネス・モデル)を読みとることは可能であった。
また、倉庫の棚番管理など細かな部分ではあるが、自分達なりの業務改革案を作り実行に向けて準備を開始した作業が長期間にわたったため、ワーキング・グループは外部に対する接触を忘れがちになっていった。
後から反省したことであるが、改革案の意味や、新しい仕組みを一般の業務担当者に伝えないまま時を過ごしたようである。
難航する業務改革作業他システムとの連携B社の業務改革活動はチーム間の連携が必要な状況になってきた。
自社独自の生産方式が理にかなっていることが分かるにつれて、他のチームの業務改革案とうまくつながっているかどうか確認したくなった。
実現可能性をチェックしなければ、これ以上詳しく検討すると無駄になるかもしれない。
独自の生産方式に関しては、現行方法の改良であり、現有情報システムの機能の手直しで間に合うかもしれない。
しかし、ソフトウェアは構造が悪くなっているので、やはり作り直すほうがよいであろう。
ところで、生産情報システムの前提となる情報を取り扱う他の業務についても改革チームが活動している。
これらと連携できなければ空回りになってしまう。
そこで、関連する人々に集まってもらい、新生産方式の仕組みを説明した。
そのあとでデータの共同利用について検討を始めた。
部品表/製造手順表管理を担当するPDMチームが提示したデータ仕様はまれにみる複雑な構造になっていた。
多仕様への対応と、現場の改善活動の支援のために、きめ細かな技術情報を統合的に扱う必要がある。
これをパッケージ導入業者のSEに説明したが、なかなか理解してもらえないと、担当者は悩んでいた。
生産システム・チームのメンバーにはすぐに理解できた。
自分達が考えていた現場の業務の連携方法とこの技術情報構造はほぼ対応している。
これならPDMシステムのデータを利用して新しい生産情報システムを構築できる。
情報構造が複雑になっている。
原因もすぐに掴めた。
「リレーショナル(関係)・データベース」を前提にしてデータ・モデルを設計したために、「表(データ・レコード)」の種類が多くなりすぎている。
オブジェクト指向のデータ・モデルに書き直せば、l/3ぐらいに簡素化できるであろう。
PDMチームはパッケージの仕様が提示されなかったので、自力で解決しようとリレーショナル・データベースを勉強し、「正規形(データ参照が正確にできるための条件)」を保つよう忠実にデータベースを設計した。
そのために多数の「表」が必要になり、全体の整合の保証がかえって困難になっていた。
ソフトウェアの実現策さえあれば、PDMチームのデータを利用して生産情報システムが動くであろう。
現場のニーズと異なる部分を扱うパッケージ受注管理チームも困っていた。
パッケージの仕様が分からないので、生産システム・チームの案が自分達の業務上のニーズに合っていることは分かるが、情報システムとして連携できるかどうかは判断できない。
営業部門の業務内容は最近急速に変化しているように見える。
あまりに変化が早いので、データウェアハウス(加工したデータを専用のデータベースに蓄積して、利用者が自由にデータを参照したり、検索、分析などの簡易処理ができるソフトウェアツールを利用して営業情報システムを構築した。
これは評判がよい。
しかし、受注管理の仕組みとなると、正確に掴んでいる人は少ない。
コンサルタントは受注管理についてもモデルを描くことを提案し、半日の作業を3回行なった。
顧客の引合いから受注、生産指示、製品組立、納入、代金回収までの営業の現場の動きが明確にモデルに現れた受注管理と生産管理を連動させると、ビジネス上の問題の大多数が解消できる可能性が高い。
営業と工場の連携を図るために専任部門を設置すれば、双方で独自に行なっていた作業を一本化でき、要員を削減できる。
何よりも、両部門間の食い違いが起きなくなることが素晴らしい。
モデルを描いて1カ月ほど後のこと、受注管理チームの事務局担当が落ち込んだ様子で生産システム・チームに現れた。
パッケージの受注管理機能の説明を受けたところ、自分達の思っていないところをやらなければならない。
受注管理もパッケージに合わせて内容を改革するよう、業務改革活動の責任者から指示された、とのことである。
パッケージの受注管理機能は、注文を獲得した後の納品や売上に関して用意されている。
B社のビジネスにおいて、引合いから注文を獲得するまでが重要である。
引合い情報は正確ではないし、しかも変更が頻繁に入る。
しかしそれでも、その情報を元に生産準備を開始できる調達リードタイムの長い材料や部品を確定注文に基づいて発注するのでは間に合わない。
また、顧客の仕様決定は遅れ気味であり、納期ぎりぎりになるまで決まらないパッケージの仕組みに合わせて、仕様が確定した注文だけをインプットするよう営業マンに要求すると、注文が来る時期が遅くなり、納期を守れなくなる。
営業側の受注管理担当としてはパッケージに合わせて業務をどう変更すればよいか、想像もつかない。
また、注文が確定した後の処理は生産管理側で担当するので、営業側ではパッケージを使う仕事がほとんどない。
パッケージは「受注情報」管理を行うようにできている。
B社にとって「受注活動」管理がビジネス上の最重点である。
B社の経営層は「受注管理」という機能名だけで、必要な機能があると即断してしまったようである。
もう少し詳しくモデルを描けば、パッケージでできることと、できないことが明確になるかもしれないと、さらに半日掛けてモデルを精密に描いた。
その結果として、すべてを開発するにしても半年もあれば十分であると、開発工数や期間の見通しもついた。
しかし、業務改革のポイントがパッケージと食い違っていることが歴然としてきたため、かえって受注管理チームの悩みは深くなったようにみえた。
要求分析の後の作業手順この時期になって導入業者は生産システム・チームの会合に顔を見せなくなった。
パッケージの資料さえ見せてもらえれば、要求を述べることはできると思ったが、手の打ちようがない。
パッケージの日本語資料を請求すると、「来月には出ます」と回答があるが、出てくる気配はなかった。
要求分析の次に何をすればよいかチームは知らされていなかった。
要求分析作業が終わったあと、コンサルタントは手持ちぶさたの時期を過ごした。
しかし、どうも様子がおかしい。
パッケージ導入業者であれば、作業手順を確立しているはずである。
要求分析の後、どのような作業を行い、その中のどの部分をユーザが担当し、どの部分に導入業者が責任を持つか明らかにするよう、生産システム・チームから導入業者に要請した。
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